なぜ骨盤よりも首なのか?
「赤ちゃんは首から座る」
この言葉は、人の持つ身体の特徴の本質を言い表しています。
牛や馬などの哺乳類は、生まれて直ぐに立つことができます。
4本足の動物は、両脚や骨盤などの下半身から安定するようにできています。
それに対して、人間は約1年かけて立ち上がり歩けるようになります。
赤ちゃんは骨盤ではなく、脳に近い側から成長します。
そう、「赤ちゃんは首から座る」のです。
まず、首(頸椎)が安定して寝返りが打てるようになり、背中(胸椎)が安定してハイハイをするようになります。
その後、腰(腰椎)が安定してお座りができるようになった後、ようやく骨盤が安定してつかまり立ちができ、歩けるようになるのです。
つまり、人間にとっての土台は骨盤ではなく、脳に近い首といえるのです。
それだけ人間の構造は、脳が身体をコントロールしているため、「前へならえ!」ならぬ「上へならえ!」の状態で、立ち上がる時も座る時も、上から順に体を安定させているのです。
骨盤の説明も少しご紹介しておきます。
二足歩行の人間の場合、骨盤は真ん中に位置することになります。
そのため、骨盤の役割は土台ではなくバランサーということになります。
例えば片手で重い荷物を持つ時は、人は誰でも荷物のある方に骨盤をスライドさせることでバランスを取ろうとします。
坂道を歩く時も同じです。上り坂の時は骨盤を前に出して推進力を高めようとし、下り坂の時は後方に保持してブレーキをかけやすくします。
多くの場合、骨盤は左右が別の動きをする使われ方ではなく、対(つい)になってバランスを取るために働いているのです。
そもそも骨盤の関節はほとんど動きません。
そのため、土台として矯正をすることを考えずに、バランサーとして調整してあげればよいと考えます。
首の5つの重要な役割
①脳への栄養供給
首には身体の司令塔である脳へと、新鮮な血液を送り届ける重要な役割があります。
脳は心臓よりも高い位置にあるので、かなりの圧力(ポンプ作用)をかけなければ、脳にまで血液を届けることができません。
そのため、頸椎のズレや曲がりで血管の通路が狭くなり、酸素や栄養を供給する効率が下がった状態が続くと、さまざまな病気を発症する原因を作ってしまいます。
首の状態を整えておくことは、「病気の予防」という観点からもとても重要なのです。
②神経の伝達
正常な血管から新鮮な酸素と栄養素をもらうことで、脳は正常な働きを保つことができます。
脳には「全身の神経から届けられた状況を把握し、再度全身へと指令を出す」という重要な役割があり、その指令の行き来は、全て首を通って行われます。
つまり、脳からの指令は神経を介して首を通って全身へと送られます。(運動神経であれば手や足の先まで、自律神経であれば内臓全域まで指令が伝達されます)
そのため、神経が圧迫されたり引き伸ばされたりすると、神経の伝達妨害が起こり、さまざまな不調の原因を作ってしまいます。
③姿勢の制御
体重の約8%といわれる重い頭部を、二足歩行で支えて生活しているということ自体、人は他の動物にはできないことをしています。
それを可能にしているのが首の存在です。
人の首には、たくさんの感覚受容器というセンサーが埋め込まれていて、少し重心の位置が変わっただけでも瞬時にセンサーが反応して、身体のバランスを正常に保とうとしてくれるのです。
この首のセンサーの働きがなかったら、私たち人間が二本足で直立歩行できることはなかったといえるでしょう。
④頭を支える
人の身体は、積み木のように足場から積み上げて頭を支えるわけではありません。
まず脳から一番近い首の筋肉が収縮することで頭を支えます。
それから背中、腰、骨盤、下肢へと指令がいきます。
赤ちゃんも、成長する順番は脳に近い場所からです。まず首が先に座って寝返りができるようになり、ハイハイをしながら背中が座り、やがて腰が安定して「おすわり」ができるようになります。
その後、骨盤が安定してつかまり立ちができ、しっかり立って歩けるようになるのはそれからですよね?
ここでも、人間が二足歩行できるまでの重要なメカニズムが存在しているのです。
⑤頭を動かす
人間は顔の向きを上下左右に自由に動かすことができますが、この動きをつくるのが頸椎の関節です。よって頸椎がズレたり変形したりして、骨と骨の間隔が狭くなると、首の可動範囲が狭くなります。
首(頸椎)は、背中(胸椎)や腰(腰椎)と比べて可動域が広く、なおかつ重い頭を支えているため、背中や腰、骨盤の骨と比べると圧倒的にズレやすい環境にある、という特徴があります。
ほとんどの人が首【上部頸椎】を治してもらったことがない事実
言うまでもなく、首は大切です。
なぜなら、首は「脳」とつながっているからです。
痛みを認識するのは、痛みの出ている腰でも膝でもありません。
痛みは「脳」が認識しているのです。
ですが、当院に初めて来院される患者様の実に90%以上が、首【上部頸椎】を治してもらった経験がありません。
なぜ、こんなに多くの方が上部頸椎の施術を受けていないのでしょうか?
一つは、治せる施術家が少ないことです。
実は、整骨院や整体院の養成学校でさえ、上部頸椎の技術を教えてくれないという現実があります。
教える施設側にとっても、「上部頸椎は難しくリスクが高い」という認識があるのです。
もう一つは、病院での画像診断が出にくいことです。
レントゲンやMRIなどの画像診断では、ほとんどが下部頚椎といわれる5~7番目に問題があるという診断が出ます。
上部頸椎を診る場合は、開口像といって口を開けた状態で撮影をしなければなりません。
口を開けた状態でレントゲンを撮ったことのある方は、はたしてどれだけいるでしょうか?
このように、医療の現場でも、上部頸椎の問題が見逃されてしまう可能性は意外と多いのかもしれません。
対症療法と原因療法の明確な違い
痛みが改善しない多くの患者様は、“痛みのある場所が悪い” と思い込んでいます。
病院でもそのような説明を受けて当院に来られる患者様が多くいらっしゃいます。
ですが、身体は「病理的な原因」だけで悪くなるものではありません。
特に骨格の問題は、“重力に対する身体の使い方” という、「物理的な負荷」を抜きに考えることはできないのです。
下を向いた状態での家事や育児、パソコンやスマホに囲まれた生活…
首を物理的に悪くする要因は、現代社会では至る所に存在します。
便利になった生活の裏側には、このような代償が必ず起きてきます。
原因療法とは、それらの代償に対する要因に目を向けて、物理学・姿勢学を用いて骨格の曲がりを改善させるアプローチを指します。
そしてその結果、脳が自分の身体を治しだすための環境を再度作り出してあげることが大切なのです。
施術に頼りきりにならない身体を、施術を受けながら作り出す。
「依存」から「自立」への架け橋となる徒手療法。
これが原因療法の真骨頂であり存在意義です。
痛み止めやコルセットが手放せない生活から解放されたとしたら…
どんなことをしてみたいですか?
どこに出かけてみたいですか?
「今の痛みが治ったら何がしたいですか?」
もしよかったら、少しお顔を上げて考えてみてください。
明確な目標のある方は、やはり施術効果も違ってきます。
首を整えることで改善の期待できる症状の例
首【上部頸椎】を整えることで改善の期待できる症状の例としては、以下のようなものがあります。
頭痛(片頭痛、緊張型頭痛)、首痛、頭重感、頭が締めつけられるような痛み、目の奥の痛み、目の疲れ、目のかすみ、ドライアイ、眼精疲労、目の下がピクピクする、歯ぎしり、歯茎の痛み、食いしばり、耳鳴り、動悸、頻脈、肩コリ、肩甲骨のコリ、手足のしびれ、目まい、体のだるさ、のぼせ、鼻づまり、あくびが多い、多汗、気力減退、呼吸がしにくい(呼吸が浅い、息が吸いにくい)、背中の痛み、腰痛、坐骨神経痛、股関節痛、膝の痛み、足首の痛み、不定愁訴(自律神経失調)
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